1. 今日の夜は空いているか、と九条くんから連絡が来た。実に2年ぶりの連絡だった。 正直に予定はないと伝えると、食事に誘われた。前にも九条くんと来たことのある居酒屋だった。 「元気そうやなあ」 九条くんはビールとタバコを交互に口にする。私は、レモ…
「日本に行くんだ」 窓から夕焼けが差し込む終業後のオフィスに、私とノエルだけがいた。ノエルは私が調整し終えたたばかりのXチェンジャーを受け取ると、思い出したみたいに話しかけた。 「そう」 「あれ、驚かないの?」 「あなた、自分で思ってるより有名…
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